楽天RPP広告とは?CPC広告との違いや運用方法について

楽天市場に店舗を出店されている方なら、集客UPの為に「楽天RPP広告」というワードを耳にしたことがあるのではないでしょうか。

実際に「楽天RPP広告」に興味があっても、どのようなシステムか分からなくて二の足を踏まれている方も多いかもしれません。

ここでは、楽天RPP広告とはどのような広告であるか、そしてCPC広告との違いやその運用方法などを解説します。

目次

楽天RPP広告とは何?

楽天RPP広告とは何?

楽天RPP広告とは「Rakuten Promotion Platform」のことで、楽天が運営提供する広告サービスのことです。

楽天市場で商品を検索した際に、検索ワードに連動して関連商品を表示してくれる検索連動運用型の広告です。

楽天市場では日々膨大なデータを蓄積していますが、楽天市場で商品を購入しようと考えている顧客に対して最適な広告配信を行います。

楽天市場で商品を購入する際に、商品名の前にPRというマークがついた商品を見たことがあるのではないでしょうか。

これが楽天RPP広告で表示された商品です。

楽天CPC広告との違い

楽天CPC広告との違い

楽天RPP広告は、2018年まで楽天CPC広告という名称で運営しておりました。

そのためネット上などで2種類広告の情報が混在しており、どっちがどっちなのかと迷われる方もおりますが、現在は『楽天RPP広告』という名称1本で運営されています。

また、名称が変わったことによりシステムも大幅に変更されています。

楽天RPP広告のシステム

旧楽天CPC広告では、広告のキーワードを出稿者自身で決めるか、楽天に選定してもらうかを選ぶことができました。

楽天RPP広告では、自身でキーワード候補の選定はできますが、最終的な広告の表示有無権限は楽天にあり、楽天が過去の膨大なデータにより最適なワードを選定するようになりました。

最も効果的なワード選定をしてもらえるとともに、クリック単価(CPC)が半額になるなど出稿者にとってもメリットが多くなりました。

楽天RPP広告の特徴

楽天RPP広告の特徴

楽天RPPの広告には以下のような特徴があります。

  • 検索した商品と関連が高い広告が表示される
  • 広告は検索上位に表示される
  • 無駄な広告出費がないクリック課金型制度
  • 月額5000円の予算から始められる

検索した商品と関連が高い広告が表示される

掲載型の広告は、固定のページに同じ広告を掲載する方法ですが、楽天RPP広告は検索連動型です。

そのため、顧客の検索結果や購入データを元に関連性が最も高い商品を顧客に対して配信します。

広告は検索上位に表示される

楽天RPP広告が検索の際に表示される場所は、PCでは検索の上位3位以内、スマホは上位5位以内に表示されます。

楽天市場内での検索上位対策であるSEO施策をいくら行っても、広告よりも上位に掲載される事はありません。

無駄な広告出費がないクリック課金型制度

楽天RPPの広告は、表示されるだけでコストが反映されるインプレッション課金型の広告ではなく、クリックして初めてコストが反映されるクリック型課金制を導入しています。

インプレッション課金型の広告の場合は、クリックされなくても費用が発生するので一定のリスクが生じます。

その点、クリック課金型はクリックされないと費用が発生しないので、検索で表示されることと無駄なコストを抑えることができる両面のメリットがあります。

月額5,000円の予算から始められる

楽天RPP広告は、広告主が予算を月額5,000円から自由に設定して出稿できます。

クリック単価は25〜40円から設定可能で、設定予算を使い切るまで広告を配信してくれます。

広告を表示する設定も詳細にすることができ、掲載したくない商品を除外することもできます。

楽天RPP広告の出稿方法と費用

楽天RPP広告の出稿方法と費用

楽天RPP広告の出稿方法は次のようになります。

楽天RMSで設定

楽天市場でRPP広告を出稿するには、以下の手順で行います。

  1. 楽天RMSにログイン
  2. メニューより「楽天RMSメニュー」を選択
  3. 「広告・アフィリエイト・楽天大学」を選択
  4. 「広告」を選択
  5. 「検索連動(RPP))を選択
  6. RPP設定画面に遷移

プロモーション設定

広告のプロモーションをまず設定する必要があります。

広告の設定をキャンペーンと呼びますが、最初にキャンペーン名を設定します。

キャンペーン名は特に重要ではなく、あくまでも管理しやすいように名称を付けるようにしましょう。

名称を付けた後は、配信の有無設定と継続月などを設定していきます。

設定で最初に行うのは、広告を出稿する全体の期間と予算です。

広告を打ち出すキャンペーン期間と予算が決まったら「商品CPC」と「キーワードCPC」の2つの単価を設定する必要があります。

広告の配信設定は初期設定だと、全商品が配信の対象になるので注意しましょう。

商品・キーワード毎にCPCの設定をする

広告で設定できる商品のCPCは最低25円〜999円まで、キーワードのCPCは最低40円〜999円までの金額で設定することができます。

商品のCPC(例)雑貨商品A:CPC20円
キーワードCPC(例)雑貨商品A:赤色:CPC40円
雑貨商品A:赤色 クリスマス:CPC40円

楽天RPPでは前述したように、広告を何も設定しないで出稿すると店舗全体の商品が掲載されてしまい、あっという間に予算を使いきって設定期間前に終了してしまうことがあります。

その為、広告に掲載したくない商品を事前に除外設定する必要があります。

除外設定をすることで、拡販したい商品とそうでない商品を明確に分けて販売をコントロールすることができます。

楽天RPP広告は関連性に同期して自動表示される

楽天RPP広告の特性として、商品やキーワードCPCで設定したもの以外は顧客の検索に関連があると楽天市場が機械的にサーチして自動的に表示する仕組みになります。

そしてキーワードを設定しなくても、商品名や商品の説明文などを読み取り、関連性を確認します。

そのため全く関係ない商品に掲載されたり、意図しない商品に広告が表示されることはあまりありません。

楽天RPP広告の表示ロジックとは?

楽天RPP広告の表示ロジックとは?

楽天RPP広告は、楽天市場内での検索に連動して広告を表示する検索に連動した広告です。

つまり楽天市場内で検索した購入意思のある人に対して訴求でき、購入される可能性が高いということです。

この検索に広告として上位に表示されると非常に有利になると言えるでしょう。

しかしCPC設定した広告が表示されないこともあるので次のような注意が必要となります。

楽天RPP広告は入札制

楽天RPP広告のキャンペーン期間を開始しても、広告が表示されていないなと感じることがあります。

これは楽天RPP広告が入札制であることが大きな要因で、表示率を上げるためには次の要素が鍵になります。

  • 商品の販売件数
  • 商品の売上金額
  • レビューの件数

・CPCの単価

楽天RPP広告は、CPCが著しく高ければ必ず表示されるわけではなく、販売の件数や売上金額など複合的な要素を踏まえて楽天市場が自動選択して表示されるシステムです。

初心者でも安心して運用できる広告

従来の楽天CPC広告で精度高く運用するには、キーワードを効果的に選定して広告を展開する必要がありました。

慣れている方でも設定するキーワードを選ぶのには、出稿済みの広告を分析したり見直したりと運用には多くの時間と手間が掛かっていました。

その点楽天RPP広告では、このキーワード管理を自動でやってもらえるので初心者でも運用が楽になり、販売活動に取り組むことができます。

楽天RPP広告を効果的に運用するポイント

楽天RPP広告を効果的に運用するポイント

広告の出稿設定を一度行えばすぐ効果が出るわけではありません。

しっかりと効果を分析してROAS(費用対効果)をチェックする必要があります。

効果的に運用するためには次のようなことを確認しましょう。

パフォーマンスレポートを確認する

RPPではキーワード広告を効果的に運用するために、パフォーマンスレポートという広告の効果が確認できる無料の機能があります。

パフォーマンスレポートで確認できる項目は、基本項目として予算金額・入札金額・実績金額の他にも、合計クリック数・実績数・CTR(*1)・CPCなどがあります。

効果を確認するためには、合計売上金額・合計販売件数・ROAS・CVR(*2)などの確認が必要で、その中でもROASの確認が最も重要な指標となります。

(*1)CTRとは「Click Through Rate」の略で、ユーザーに広告が表示された回数のうち、広告がクリックされた回数の割合を言います

(*2)CVRとは「Conversion Rate」の略で、Webサイト訪問者のうち、Webサイトの最終成果である問い合わせや購入に繋がった件数の割合を言います

ROAS(費用対効果)の改善

楽天RPP広告では、いくら広告のクリック率が高くても、売れないと意味がありません。

売れない商品に広告を掛け続けると費用の無駄遣いになります。

商品別でROASの合計720時間の販売推移を確認して、売れない商品は広告除外商品にしましょう。

広告を出稿する目的を明確に

ただ売上を伸ばしたいという目的で広告だけを利用すると、最初はある程度効果が出るかもしれませんが伸び悩む時がきます。

広告を出稿するときは次の3つのようなことも考えましょう。

  • ショップの認知度アップ
  • 新規顧客の流入獲得
  • 拡販して検索順位UP

ショップの認知度アップ

実店舗でもそうですが、まず店舗に足を運んでもらえないと商品は売れません。

その為にショップを知ってもらうきっかけとして、クリック数を増やすことが必要です。

また、クリック数を増やすだけでは購買意欲を掻き立てませんので、ショップ内には魅力的な商品を掲載する必要があります。

せっかくクリックさせて訪問を獲得しても、魅力のないショップではすぐに他のショップに移動されてしまいます。

新規顧客の流入獲得

購入頻度が高い商品を広告で運用するのも1つの手です。

新規顧客を効果的に流入させて、他の商品に横展開させたり、リピート発注につなげるとさらに効果的です。

その際、新規顧客の何パーセントがリピート発注を行っているかの確認も必要です。

拡販して検索順位UP

広告は売上金額や件数などの複合的な要因で商品を高い検索位置に上げる傾向があると前述しました。

その為に、多少薄利であっても売上金額を積み上げることで楽天SEO対策にもなり、自然に商品が検索上位に表示されようにもなります。

広告の効果を最大限に引き出す方法

広告の効果を最大限に引き出す方法

楽天RPP広告を効果的に運用するポイントをご紹介しましたが、楽天市場ではR-Karte(アールカルテ)というデータを分析するツールを使って広告効率を改善する方法もあります。

R-Karteでは主に「商品別の検索キーワード」「関連キーワードとユーザートレンド」の確認ができます。

データ分析が手軽にできるので、売上アップのための改善を全面的にバックアップしてくれるでしょう。

商品別の検索キーワード

楽天市場のショップに来てくれる顧客が、何を求めに来てくれたかを検索ワードの順位で確認しましょう。

実際に売りたい商品と、訪問してくれる顧客との間でキーワードに差異が出ているかもしれません。

検索から流入して商品ページに来てくれるのに、思ったほど売れない場合はこのケースが多く、売りたい商品のキーワードが設置されていない場合があります。

検索キーワードの確認では、商品ごとに改善点の詳細がチェックできるので、記事の中に必要ないキーワードが盛り込まれていないかなども確認しましょう。

関連キーワードとユーザートレンド

キーワード分析のページでは、検索キーワードの順位確認右下に「流入キーワードの関連キーワード・ユーザートレンド」を確認できるページへのリンクがあります。

ここでは、自店舗に流入が多い検索キーワードや、検索ユーザーの性別と年齢なども確認することができます。

これにより適切な商品名やキャッチコピーなどを挿入することができ、売上改善や転換率改善にも繋がります。

ECサイトにおける転換率とは?

ECサイトにおける転換率とは?

ECサイトを運営する方の最終目的は、ネット上で商品を販売して利益を創出することです。

そしてさらなる拡販のために、楽天RPP広告などを用いて商品PRをして店舗を大きく稼働させます。

ショップに顧客がアクセスをしてから販売に繋がった割合が高いほど優れたショップであるということになりますが、この購入に繋がる割合を転換率と呼びます。

転換率の計算方法は?

転換率の計算式は、一般的に次のような式で計算します。

転換率(%)=注文件数÷アクセスユーザー数

例えば、商品に対してアクセスしてきたユーザー数が1,000人として、100件販売できた場合は10%です。

転換率10%=注文件数100÷アクセスユーザー数1,000人×100

転換率の目安数値

一般的に転換率の最低基準は1%程度です。

上記のように10%を超えていると非常に売れている商品と言えます。

逆に1%未満の場合は、キーワード選定に問題があったり、顧客が購入に至る気持ちにさせるような商品ページではないということが考えられます。

せっかく顧客の訪問を促しているのに、販売するビジネスチャンスを失っていることになります。

転換率を上げるポイント

転換率を上げるポイント

転換率を上げることにより、収益改善が見込めるのは当然ですが、さらに信頼度やショップの価値なども同時に上げることができます。

転換率を上げるためには以下のことが重要です。

ベネフィットの差別化

ベネフィットの差別化の表示を怠ると商品の価値さえも下げてしまう恐れがあります。

例えば、同じ金額のサングラスが様々なショップで陳列されている場合、あなたは何を基準に選びますか?

A店では写真と商品の説明のみ掲載されており、B店では商品の写真とともに「昔なになにの映画で使用された〜」や「芸能人A氏愛用」などのキャッチコピーなど表示されている場合では、B店の商品を選びたくはなりませんか?

このように、ユーザーにとってより価値の高いと思わせることで、転換率の差が出てきます。

楽天RPP広告の注意点

楽天RPP広告の注意点

初心者でも手軽に運用できる楽天RPP広告ですが、次のようなことに注意する必要があります。

SKUを含む商品や在庫がない場合は転換率が下がる

SKUとは「Stock Keeping Unit」の略で、商品の受発注や在庫の管理をする際に使用する最小の単位のことを言います。

このSKUが少ない場合や、品切れの場合は転換率が下がります。

広告からせっかく来て購入を検討しているユーザーが、商品の欠品などで離脱すると販売機会を逸してしまいます。

在庫が無い商品であれば、広告表示を除外するようにしましょう。

広告の予算は自動更新

楽天RPP広告で設定する月額の予算は、月が変わると前月と同じ予算で自動更新されます。

当月だけ広告を打ちたい場合や、次月に広告費を圧縮したい場合などは、月初に変更修正する必要があるので忘れないように設定しましょう。

広告の管理と分析をする

上記でも解説しましたが、広告を出稿しただけでは転換率を上げることはできません。

時期によってキーワードを変えたり、他の競合店舗の価格の確認なども定期的に行う競合分析などが必要です。

特に季節商品の場合は、販売繁忙期になると価格変動が大きくなるので広告分析を行い適切な市場に合わせていきましょう。

イーモジャパンの楽天RPP広告運用事例

イーモジャパンの楽天RPP広告運用事例

健康食品メーカー

依頼内容楽天市場の運用
依頼の背景レッドオーシャンと言われている健康食品のカテゴリーで広告を打っても売上がまったく上がらずご依頼しました。
課題楽天の商品画像と広告運用が手探りの状況で1年以上経過してしまった。
お客様の声画像制作をして頂き、その後広告の運用もしていただいた所、ROASが60%から半年後には420%を超えました。
それ以外にインフルエンサーを絡めた施策提案などを楽天スーパーセール前後に仕掛けて頂き、楽天上で過去最高売上も達成しました。

食品メーカー

依頼内容楽天市場の運用
依頼の背景楽天市場に出店して2年ほど経過しましたが、他の業務もあり思ったより着手できず時間が経過してしまったのですが、なんとか売上をあげたいと考えイーモジャパン社にご依頼しました。
課題楽天市場での販促方法とリソース不足
お客様の声楽天市場で月商10万前後を行ったり来たりでしたが、イーモさんにご依頼後は現在の課題点を明確にして頂き、その改善策を実行してもらい平均売上が50万円をこえてきました。
土台作りありきの集客施策など自社でやっていたらなかなか手が回らないことを実行して頂き感謝です。
今年中に100万円の売上目標を達成できるように引き続き宜しくお願いします。

まとめ

楽天RPP広告とは?CPC広告との違いや運用方法について

楽天RPP広告は、従来の楽天CPC広告に比べて設定も簡単で安価に始めることができる広告です。

しかし効果的に運用するには、使用する目的を明確にして適度な管理と分析でメンテナンスする必要があります。

そして集客しても呼び込んだページに訴求効果がなければ購買には繋がりません。

安価で広告ができるものの、費用を支払う以上は結果を意識することが大切です。

そうしていくことで良いショップを育てていけるのではないでしょうか。

イーモジャパンでは、楽天市場でのRPP広告支援など行っております。

楽天市場で出店や販売をお考えの方や、出店しているが思ったように成果が上がらないという方は、お気軽お問合せください。

イーモジャパンの経験豊富なスタッフがあなたのEC事業をバックアップいたします。

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